育児休業を取得すると、給料が減り生活が苦しくなると思っていませんか?
厚生労働省が発表した「育児・介護休業法」によると、令和3年度の男性育児休暇取得率は13.97%でした。
育児休業の制度を利用しない理由として最も多かったのが、「収入を減らしたくないから」でした。
調査の結果から、給料が減り生活が苦しくなることを危惧し取得できていないようです。
しかし、しっかり制度を理解し準備することで収入を減らすことなく取得できます。
また、政府は所得の8割支給と税金免除で取得率の向上を目指しています。
制度を上手に活用することで、給付金を多く、税金・社会保険料を少なく、より休暇を長く取れます。
今回は「育児休業」について収入を減らさずに取得、今後改正予定の内容について解説します。
4つの給付金について!
出産育児一時金
出産育児一時金とは、出産費用の補填として支給されます。金額は最大で50万円。
2023年3月までは42万円でしたが、4月以降は50万円になりました。妊娠4ヶ月(85日)以上で出産した人が対象となります。
早産、流産、死産、人工妊娠中絶した場合も支給の対象だよ!
出産育児一時金の対象者は健康保険の被保険者、扶養者が対象で、申請先は医療機関、加入する健康保険組合、住所地の市町村(国保の場合)。
手続き方法として、“直接支払制度”、“受取代理制度”、“償還払い制度”があります。
- 直接支払制度
- 医療機関を通して手続きするため、健康保険組合への手続きが不要。医療機関で支給額分の費用が減額され請求されます。出産育児一時金の金額を上回っていれば差額分を支払い、下回っていれば余った分の支給額を受け取れます。
- 受取代理制度
- 出産前に健康保険組合にて続きが必要になります。医療機関で支給額分の費用が減額され請求されます。出産育児一時金の金額を上回っていれば差額分を支払い、下回っていれば余った分の支給額を受け取れます。
- 償還払い制度
- 出産費用の全額を一度支払った後に、健康保険組合などに手続きをすることで支給額を受け取ることができる方法。
出産・子育て応援交付金
出産子育て応援交付金とは妊娠時に5万円相当、出産時に5万円相当の経済支援または現金を受け取ることができる制度。
自治体によって現金、商品券、支援サービスなど支援内容は異なります。
2022年4月以降に子供が生まれていれば遡って請求することができます。
出産手当金
出産手当金とは会社に勤めている女性が、産前産後中の休業補償として支給される手当になります。
産前産後期間とは、出産予定日もしくは出産日のどちらか早い方の42日前から、出産後56日まで会社を休んだ分出産手当金が受け取れます。
法律により、産後8週間(女性が請求した場合は産後6週間)を経過してない場合は仕事をしてはいけません。
出産手当金の支給額は、支給開始日の以前12ヶ月の額面を平均し2/3(約67%)になり、休んだ日数分支給されます※1。
※1 出産予定日もしくは出産日のどちらか早い方の42日前から、出産後56日まで会社を休んだ分。
出産手当金は非課税でその期間中は社会保険料や所得税を支払わなくても大丈夫です。
住民税は昨年度の所得応じて発生するので支払いが必要になるよ!
産休中の住民税は納付書での支払い、産休前や育休明けにまとめて徴収されます。
自治体によっては住民税の免除、減免措置があるので自治体に確認してみましょう。
育児休業給付金
育児休業給付金は育児休業中、休業前の賃金に応じた給付金を受け取ることができます。
育休中は年金や健康保険料の支払いが免除。
期間は子供の出生後8週以降から1歳になるまでの間に、育児休業を取得する人が対象で、両親で取得可能となっています。
ただし保育所に入所できなかったなどの事情がある場合は1歳6ヶ月または2歳まで延長することが可能です。
支給の対象としての条件。
- 雇用保険に加入。
- 育児休業開始日までの2年間に、11日以上勤務した月が12回以上あること。
パート・アルバイトは上記に加え次の条件が必要です。
- 休業開始時点で同一事業者から1年以上雇用されていること。
- 子供が1歳6ヶ月になるまでの間に、雇用契約を終了する予定がないこと。
支給額は育児休業の開始日から180日は休業開始時賃金日額の67%。181日以降は休業開始時賃金日額の50%。
育児休業はどんな制度?
育児休業とは一般的に“育休”と呼ばれており、子供が1歳になるまでの間に取得することができます。
ただし保育所に入所できなかったなどの事情がある場合は、1歳6ヶ月または2歳まで延長することが可能。
再度申請することで最長2歳まで取得することができます。
休業しようとする1ヶ月前までに雇用主に申し出ることで取得することができます。
正社員だけではなく、契約社員であっても1年以上勤務しており、子供が1歳6ヶ月になるまでの間に契約が満了しなければ取得できます。
産後パパ育休とは?
産後パパ育休とは、子の出生後8週間以内に4週間まで取得可能な育休。
原則として休業の2週間前までに申請する必要があります。
分割して2回取得可能で育児休暇とは別で取得可能です。
現在は育児休業と同じく休業開始時の67%を受け取ることができます。
また、労働者が育児休業、産後パパ育休を取っている間の給与・賞与から、社会保険料の全額(労働者個人負担分および会社負担分)が免除されます。
この社会保険免除と67%の給付金を合わせると、収入は休業以前のおおよそ8割だね!
今後は給付金を80%支給し、社会保険料等を免除にすることで手取り10割を目指すことを検討しています。
今後の制作に注目しましょう。
収入を減らさずに育児休暇を取得!
産休前(育児休暇前)に仕事を辞めないこと!
産休前に退職してしまうと、出産手当金や育児休業給付金の受け取りができなくなります。
平均年収が30万円の人を齢にすると、退職せずに産休に入ると合計金額が310万円に対して、退職してしまうと合計が60万円になります。
仮に退職を考えているのであれば、産休後に退職しましょう。
産休中(育休中)は夫の扶養に入る!
育児休業給付金などは非課税のため、所得税がかかりません。
そのため、合計所得金額が48万円以下の扶養親族、配偶者がいれば、本人に扶養者控除38万円、配偶者控除を最大で38万円認められます。
また、年収が201万円未満までは配偶者特別控除があります。
この制度を利用するためには夫の会社で、年末調整時に“配偶者控除等申請書”に記入する必要があるので忘れないようにしましょう。
社会保険料を知ることで収入を減らさない!
社会保険料を節約する!
社会保険料免除の条件として、育休を開始した月から終了した月の全月までの保険料が免除になります。
また、開始と終了が同じ月だった場合、育休期間が14日以上であればその月の社会保険料が免除されます。
ボーナスに関しては、ボーナスが支払われた月末を含み、連続1ヶ月育休を取得した場合に免除。
育休は2回に分割して取得できますが、①10月10日〜11月10日、②11月11日〜11月25日のように取得すると10月10日〜11月25日までが育休期間とみなされ10月の保険料しか免除されません。
うまく調整することで終了月、賞与月の社会保険料も免除できるね!
産休育休前に有給を取得する
年を跨いで育休を取得する場合、取得していない有給は捨てることになります。
次年度にはまた付与されるので、取得てしていない有給は使用しましょう。
パパ・ママ育休プラスを活用することで育児休業期間が1歳2ヶ月まで延長されます。
要件を以下にまとめました。
- 配偶者が子が1歳に達するまで育児休業を取得していること。
- 本人の育児休業開始予定日が、子の1歳の誕生日以前であること。
- 本人の育児休業開始予定日は、配偶者がしている育児休業の初日以降であること。
夫が使用する場合は、産後パパ育休後にすぐ育児休業を取得するのではなく、有給を挟むことで妻より遅く育児休業が開始されるので子が1歳2ヶ月になるまで延長できます。
産休(育休)前にふるさと納税を活用
育児休暇を取得した場合、社会保険料・所得税が免除されますが、住民料は支払わなければなりません。
ふるさと納税は活用することで、住民税の控除を受けることができ、育休中の税金を減らすことができます。
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