資産運用の基本はリスクとリターンのバランスをとることです。
コア・サテライト戦略はリスクをコントロールしながらリターンを最大化する手法で、コアが「守り」でサテライトを「攻め」分け資産運用します。
この記事ではコアサテライト戦略のメリットと具体的な方法を解説したいと思います。
コア・サテライト戦略とは?
分散効果を見込みやすい
コア・サテライト戦略のメリットは、分散効果を見込みやすいことです。
ひとつの商品に集中投資する場合、その商品の価値が下がったときに、保有資産全体の価値が大きく下がってしまうことがあります。
しかし、複数の種類の資産を保有する分散投資をしておけば、保有している資産のどれかの価値が下がっても、他の資産を持つことで資産全体としての価値の下落を支えることができます。
分散投資については、「卵を同じカゴに盛るな」という例でよく例えられますが、投資において分散投資というのは極めて重要な考え方。
分散投資することで、保有資産の価値が大きく下がるリスクを低減することができるよ!
ただ、分散効果については1点だけ注意があります。
それは、コア・サテライト戦略を取ったからと言って分散効果を確保できる保証はないということです。
コア部分とサテライト部分の資産の相関が高い場合、分散効果が低下。
サテライト部分のボラティリティが高すぎると、分散効果が打ち消される可能性があるからです。
攻めと守りの両方を共存できる
コア・サテライト戦略には、攻めと守りを共存できるメリットがあります。
インデックス投資で資産を守りつつ、高配当株に投資することも可能。
また、相場環境を見ながらシーズンに合わせて攻めと守りを切り替えるのも1つの戦略です。
ただ、一般的な個人投資家はそこまで投資に時間をかけられないというのが実情だと思います。
特にポートフォリオのダイナミックな切り替えは心理的なハードルも高いです。できても定期的なリバランスが関の山……。
であるなら、攻めと守りを共存させて緩やかにリスクを動かせるコア・サテライト戦略がいいね!
相場環境に応じた柔軟な投資が可能
相場環境に応じて柔軟な投資ができるのもコア・サテライト戦略のメリットです。
例えば、基本はコア資産を8割、サテライト資産を2割としておき、経済的な余裕が出てきたタイミングや強気相場の局面で、コア資産を6割、サテライト資産を4割とするような攻めたアセットアロケーションをとることも、コア・サテライト戦略なら実現しやすいです。
コア・サテライト戦略の注意点
コア・サテライト戦略には以下のような注意点があります。
- ポートフォリオの管理コストがかかる
ポートフォリオの管理コストがかかる
コア・サテライト戦略の注意点の一つは、ポートフォリオの管理コストがかかることです。
コア・サテライト戦略では、複数の資産を保有することになりますが、それぞれの資産には運用コストや手数料が発生します。
運用コストや手数料を抑えるにはどうしたらいいの?
コア・サテライト戦略×NISAで運用するといいよ!
NISAを活用しコア部分でインデックス投資を行うことで、低いコストで運用でき、投資商品の売買にかかる税金が非課税になるため、コストを抑えることができるでしょう。
インデックスファンドやETFは、運用コストが低いことが特徴で、信託報酬や手数料が個別株やアクティブ型の投資信託に比べて安い場合が多いね!
特にサテライト部分では、個別株やレバレッジ商品などの取引頻度が高い場合、売買手数料やスプレッドなどのコストが大きくなります。
NISAを活用することで、売買手数料のコストを抑えることができますが、取引回数や取引量が多くなるとコストも増えるので注意が必要。
また、コア・サテライト戦略では、定期的にリバランス(資産の配分を調整すること)を行うことが推奨されますが、リバランスにもコストがかかります。
コストは投資成績に直接影響するものなので、できるだけ低く抑えることが重要。
コア・サテライト戦略のおすすめの資産の選び方
コア・サテライト戦略を実践するには、コア部分とサテライト部分にどのような資産を選ぶかが重要です。
ここでは、コア・サテライト戦略のおすすめの資産の選び方を紹介します。
コア部分にはインデックス投資を
コア部分には、インデックス投資をおすすめします。
インデックス投資とは、特定の指数(例えば日経平均株価やS&P500など)に連動するように資産を運用する投資方法です。 インデックス投資には以下のようなメリットがあります。
- 長期的に安定的なリターンが期待できる
- 運用コストが低い
- 管理が簡単
長期的に安定的なリターンが期待できる
インデックス投資のメリットの一つは、長期的に安定的なリターンが期待できることです。
インデックス投資では、特定の指数に連動するように資産を運用するので、指数の値動きに応じてリターンが変動します。
長期的に見ると、ほとんどの指数は上昇傾向にあるよ!
例えば、日経平均株価は、1989年のバブル崩壊後に大きく下落しましたが、その後は回復基調に入り、2023年4月現在では約3万円台まで上昇。
S&P500も、2008年のリーマンショック後に大きく下落しましたが、その後は急回復し、2023年4月現在では約4,000ポイント台まで上昇しています。
他にも全世界株式や全米株式などあるね!
引用:ファイナンシャルスター「米国株(S&P500)長期推移(チャート・変動要因) / 30%以上の暴落は過去8回」
もちろん、指数が上昇するという保証はありませんし、過去の実績が将来の成果を保証するものではありません。
しかし、長期的に見ると、経済の成長や企業の利益の増加などの要因によって、指数は上昇傾向にあると考えられます。
インデックス投資では、その上昇傾向に乗ることができるので、長期的に安定的なリターンが期待できると言えます。
運用コストが低い
インデックス投資のメリットのもう一つは、運用コストが低いことです。
インデックス投資では、インデックスに連動するように資産を運用するので、個別の銘柄の選択や売買のタイミングなどに悩む必要がありません。
そのため、投資にかかる時間や労力を節約できます。
また、インデックス投資では、インデックスファンドやETFなどの間接投資商品を利用することが一般的ですが、それらの商品は、運用コストが低いことが特徴です。
運用コストとは、投資商品の運用にかかる費用のこと。
- 購入手数料
- 信託報酬
- 信託財産留保学
- 監査報酬
- 売買委託手数料
- 税金
運用コストが低いということは、その分だけ投資家の手元に残るリターンが多くなるということです。
管理が簡単
インデックス投資のメリットのもう一つは、管理が簡単であることです。
インデックス投資では、インデックスに連動するように資産を運用するので、ポートフォリオの管理にかかる手間が少なくなります。
例えば、個別株を保有する場合、銘柄の選択や売買のタイミング、配当金の受け取りなどに気を配る必要がありますが、インデックス投資では、それらの作業を省略できます。
また、インデックス投資では、インデックスファンドやETFなどの間接投資商品を利用することが一般的ですが、それらの商品は、ポートフォリオの管理に便利な機能を備えています。
インデックスファンドやETFは、自動的にリバランスを行ってくれるので、資産の配分を調整する必要がありません。
「S&P500」も勝手にリバランスしてくれるね!
インデックスファンドやETFは、分配金の再投資を行ってくれるので、分配金の受け取りや再投資の手続きをする必要がありません。
インデックス投資では、ポートフォリオの管理が簡単であるので、投資にかかるストレスを軽減できます。
サテライト部分には個別株などを
サテライト部分には、個別株などの高配当株の資産をおすすめします。
サテライト部分には、コア部分では得られないような高いリターンを狙う資産を含めることで、ポートフォリオ全体のパフォーマンスを向上させることができます。
ただし、サテライト部分に含める資産は、リスクが高いことも忘れてはいけません。
個別株などの資産は、価格変動が激しく、大きな損失を被る可能性もあります。
そのため、サテライト部分に含める資産の選択や配分には、以下のようなポイントに注意してください。
- 自分のリスク許容度に合わせる
- 自分の興味や知識のある分野に絞る
- リサーチや分析をしっかり行う
自分のリスク許容度に合わせる
サテライト部分に含める資産の選択や配分には、自分のリスク許容度に合わせることが重要です。
リスク許容度とは、投資においてどれだけのリスクを取ることができるかということで、個人の性格や資産状況、投資目的や期間などによって異なります。
サテライト部分に含める資産は、自分のリスク許容度に合わせて選ぶ必要があります。
リスク許容度が高い人は、個別株や高配当株投資などのボラティリティが高い資産を多めに含めることができます。
しかし、リスク許容度が低い人は、そうした資産を少なめに含めるか、あるいは含めないことも選択肢も持たなければなりません。
サテライト部分の配分も、自分のリスク許容度に合わせて決めよう!
自分のリスク許容度に合わせてサテライト部分に含める資産の選択や配分を行うことで、ポートフォリオ全体のリスクとリスクとリターンのバランスを取ることができます。
自分の興味や知識のある分野に絞る
サテライト部分に含める資産の選択や配分には、自分の興味や知識のある分野に絞ることがおすすめです。
サテライト部分には、高リスク高リターンの資産を含めることができますが、それらの資産は、価格変動が激しく、投資判断やリスク管理が難しい場合があります。
- リサーチや分析がしやすい
- 投資に対するモチベーションが高まる
- 投資に対するストレスが軽減される
リサーチや分析がしやすい
自分の興味や知識のある分野に絞って資産を選ぶことで、リサーチや分析がしやすくなります。
個別株や高配当株投資などの資産は、その価格変動に影響を与える要因が多岐にわたります。
個別株の場合、企業の業績や戦略、競合状況、業界動向、経済環境、政治情勢などが影響を与えます。
これらの要因を把握するためには、リサーチや分析が必要ですが、自分の興味や知識のある分野に絞って資産を選ぶことで、その作業がしやすくなります。
自分の興味や知識のある分野には、既に関連する情報や知識を持っているか、あるいは簡単に入手できるか、または興味を持って学べるからです。
リサーチや分析がしやすいということは、投資判断やリスク管理がしやすいということだね!
投資に対するモチベーションが高まる
自分の興味や知識のある分野に絞って資産を選ぶことで、投資に対するモチベーションが高まります。
投資は、長期的に続けることが重要ですが、そのためには、投資に対するモチベーションが必要です。
しかし、自分の興味や知識のない分野に投資すると、投資に対するモチベーションが低下する可能性があります。
なぜなら、自分の興味や知識のない分野に投資すると、リサーチや分析が面倒に感じたり、投資の成果に満足できなかったり、投資の楽しさを感じられなかったりするからです。
逆に、自分の興味や知識のある分野に投資すると、投資に対するモチベーションが高まる可能性があります。
自分お興味のある分野だとリサーチや分析が苦じゃないね!
投資に対するモチベーションが高まるということは、投資を長期的に続けることができるということです。
投資を長期的に続けることで、ポートフォリオ全体のパフォーマンスを向上させることができます。
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