日本を代表する通信巨人、NTTの株価がなぜか急降下。
この動きは単なる市場の波に過ぎないのでしょうか、それとも何か大きな変化の兆しでしょうか?
今回はNTTとそれに付随する法律、政府の関係について解説し、株価の変動を引き起こす可能性のある要因をまとめています。
投資家としてのあなたの次の一手に役立つ洞察を提供します。
関連記事→「NTT株急落の原因と市場の反応|NTTへの投資はどうするのか解説」
NTTの株価下落の要因とNTT法
NTTの株価が151円台に突入しました。
売上高は0.6%増、純利益は14%マイナスという見通しで、配当金は0.1円増の5.2円となっています。
利回りは3.43%と高いね!
どうして他の株主はNTTが上がるって思うの?
それは「NTT法」を改正する動きがあるからだよ!
NTT法について
NTT法とは、正式には「日本電信電話株式会社等に関する法律」のことで、1985年に日本電信電話公社(電電公社)の民営化に伴い制定されました。
この法律は、NTTグループの事業活動に関する基本的なルールを定めており、以下のような主な内容が含まれています。
- 政府の株式保有: NTT法は、政府がNTTの発行済み株式の3分の1以上を保有することを義務付けています。これにより、国の重要な通信インフラを保護し、安定したサービス提供を確保しています。
- ユニバーサルサービス: NTTは、全国どこでも固定電話サービスを提供することを義務付けられており、これをユニバーサルサービスと呼びます。
- 研究開発の推進: NTTは、通信技術の研究開発を行い、その成果を公開することも求められています。
しかし、時代の変化と共に、固定電話の需要が減少し、携帯電話やインターネットが主流になるなど、通信環境が大きく変わりました。
そのため、NTT法の見直しが検討されており、政府の株式保有比率の変更や、ユニバーサルサービスの義務の緩和などが議論されています。
また、NTT法の規定により、NTTが行う技術開発の成果は公開する義務がありますが、これがパートナー企業にとっては研究成果の公開義務が懸念材料になることもあります。
このような背景から、NTT法の改正や廃止が議論されている状況です。
NTT株価下落の背景
政府による株式売却:
- 日本政府はNTT株の33.3%を保有しており、財源確保のためにこの株式を売却する案が検討。
- 2027年度の防衛費不足を補うため、政府が保有する20%程度が売却される可能性が高い。
- 売却案が報道されたことで株価が急落しましたが、実際の影響は限定的と考えられています。
信用買いの増加:
- NTTは有名企業であり、個人投資家による信用買いが増加。
- 信用買い残高が増えており、損失を抱える投資家が売りを呼び、株価を下げています。
業績の悪化:
- 2025年3月期の業績見通しが予想外に悪かったことが影響。
- 特に地域通信事業が大幅に悪化しており、固定電話サービスも年々悪化。
「NTT法」があるから赤字事業を損切りできないんだね!
株価が割高:
- 配当利回りが低下しており、一時的に割高になっていたことも株価下落の要因。
これらの要因が複合的に作用して、NTTの株価を押し下げています。
ただし、自社株買いや業績改善などの期待材料もあり、長期的には株価上昇を予想している声もあります(2027年の予想株価は336円とされています)。
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