2023年8月の楽天証券の買付で最も多かったのが「eMAXIS Slim米国株式(S&P50)」でした。
2位は「eMAXIS SLIM全世界株式(オール・カントリー)」、3位は「楽天・全米株式インデックス・ファンド」でした。
S&P500とは、米国の代表的な株価指数で、GAFAMを中心としたアメリカの代表的な500銘柄を時価総額で加重平均し指数化したものです。
今回はS&P500が選ばれる理由についてまとめました。
S&P500とは?
「S&P500」とは「Standard&Poor’s」の略になります。
Standardとはスタンダード社のことを指し、1906年にルーサー・リー・ブレイクが設立したスタンダード統計(Standard Statistics Bureau)という会社。
株式や債券などの金融商品に関する統計や分析を提供していました。
Poor‘sとはプアーズ出版を指し、1860年にヘンリー・ヴァーナム・プアーが創業したプアー出版(H.V. and H.W. Poor Co.)という会社。
鉄道会社の財務状況や運営状況に関する情報を出版していました。
1941年に、スタンダード社とプアーズ出版は合併してスタンダード&プアーズ(Standard and Poor’s)となりました。
この合併により、両社の資産やノウハウを統合し、金融市場における信用リスク分析(格付け)や株価指数などの各種インデックス算出などのサービスを展開。
その後、Standars&Poor‘sはマグロウヒルという会社に買収され、「S&Pグローバル」という会社になりました。
ちなみに、「S&Pグローバル」という会社自体もS&P500の構成銘柄に入ってるよ!
S&P500とは、米国の代表的な株価指数の一つで、米国の主要な企業500社の株価を反映しています。
米国株式市場の動向を知るための重要な指標であり、多くの投資家やアナリストが注目。
S&P500は、スタンダード・アンド・プアーズ社(S&P)が算出しており、時価総額加重平均方式で計算されます 。
時価総額加重平均方式とは、各銘柄の時価総額(株価×発行済み株式数)に応じて指数に占める割合を決める方法です。この方法では、時価総額が大きい銘柄ほど指数に大きな影響を与えます。
つまり、時価総額が大きい企業に多く投資し、時価総額が小さい企業には少なく投資ってことだね!
S&P500に含まれる銘柄は、S&P社が定めた基準に基づいて選ばれます。
基準には、時価総額、流動性、財務状況、業種などがあり、S&P500に含まれる銘柄は、米国の経済や産業を代表するような大型株が多く、テクノロジー、ヘルスケア、金融などの分野に分散。
S&P500に含まれる銘柄は定期的に見直され、新たな銘柄が追加されたり、既存の銘柄が除外されたりします。
順位 | 銘柄名 | 業種 | 時価総額 (百万ドル) |
---|---|---|---|
1 | Apple.inc | テクノロジー | 2,487,000 |
2 | Microsoft Corporation | テクノロジー | 2,250,000 |
3 | Amazon.com, Inc. | コンシューマー・ディスクレーショナリー | 1,650,000 |
4 | Alphabet inc Class A | コンシューマー・ディスクレーショナリー | 1,630,000 |
5 | Alphabet inc Class C | コンシューマー・ディスクレーショナリー | 1,620,000 |
6 | Facebook, Inc. Class A | コンシューマー・ディスクレーショナリー | 950,000 |
7 | Tesla, Inc. | コンシューマー・ディスクレーショナリー | 750,000 |
8 | Berkshire Hathaway Inc. Class B | ファイナンシャルズ | 630,000 |
9 | Visa Inc. Class A | ファイナンシャルズ | 490,000 |
10 | JPMorgan Chase & Co. | ファイナンシャルズ | 470,000 |
表を見ても分かるとおり、S&P500の上位6銘柄がGAFAMで、全体の約35%を占めています。
現在のアメリカの主要産業はIT、ヘルケアってことだね!
S&P500の採用基準
S&P500に含まれる500社の採用基準は以下のようになっています。
上記の条件を満たした銘柄に関して、独自の委員会が採用・除外を決定しています。
この採用銘柄は3ヶ月に一度見直されます。
また、浮動株比率とは実際に株式市場で流通している株式の割合のことです。
不動株比率50%以上とは、自由に売買できる株が最低でも50%ないといけないということです。
みんなが売買できない株がダメってことだね!
S&P500のセクター比率は、情報技術が最も高く、約3割を占めています。
セクター | 比率 |
---|---|
情報技術 | 27.8% |
ヘルスケア | 13.0% |
一般消費財 | 12.4% |
金融 | 11.4% |
通信サービス | 10.8% |
資本財 | 8.7% |
生活必需品 | 6.3% |
エネルギー | 3.0% |
不動産 | 2.7% |
公益事業 | 2.5% |
素材 | 2.4% |
次いでヘルスケアや一般消費財などが続く一方で、エネルギーや素材などは低い比率。
S&P500のセクター比率は、米国経済や産業の構造や動向を知るための重要な指標となっています。
2023年の米国産業の特徴だね。セクター比率は時代によって変わるよ!
S&P500のグロース株とバリュー株
グロース株とバリュー株の関係性は、経済環境や市場のセンチメントによって変化します。
グロース株とは、今後の成長が期待される株で、売上や利益を年々伸ばしている企業の株のことです。
投資家からの期待が大きいため、理論上の企業価値よりも株価が高い点がグロース株の特徴です。
バリュー株とは、企業価値に対し株価が割安な銘柄で、安定した収益や配当を出している企業の株のことです。
一般的に、知名度が低かったり、注目を集めていなかったりすることで株価が低い状態にある点が特徴です。
一般的に、景気拡大期や金融緩和期にはグロース株が優位になり、景気後退期や金融引き締め期にはバリュー株が優位になります。
S&P500の過去の値動きを見ると、グロース株が低調の時期にはバリュー株が、バリュー株が低調な時期にはグロース株が相場を支えるサイクルになっていることがわかります。
引用:S&P500MAP
表から分かるように、グロース株とバリュー株は相補的な関係であることがわかります。
GAFAMのような大企業が下がった時は中小企業が上昇しているね!
また、S&P500は運営開始から20年間どこを切り取っても右肩上がりと優秀です。
S&P500に投資する方法とメリット・デメリット
S&P500に直接投資することはできませんが、S&P500の動きに連動する投資信託やETFがあります。
これらに投資すると、個別株に投資するよりもリスクを抑えた投資ができます。
投資信託とETFの違いは、以下のようになります。
- 投資信託は、信託銀行が運用する金融商品で、毎月や毎年など定期的に買い付けることができます。手数料や信託報酬がかかりますが、積み立て投資に向いています。
- ETFは、株式市場に上場する金融商品で、株式と同じように売買することができます。手数料や経費率が低く、株式投資感覚で投資できます。
S&P500に連動する投資信託やETFのおすすめ商品は、以下のようになります。
- 投資信託:SBI・V・S&P500インデックス・ファンド(信託報酬0.0938%)、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)(信託報酬0.0968%)
- ETF:SPDR S&P 500 ETF(NYSE Arca: SPY)(経費率0.09%)、Vanguard S&P 500 ETF(NYSE Arca: VOO)(経費率0.03%)
S&P500に投資するメリットは、以下のようになります。
- アメリカ経済の成長に連動して利益を得ることができる
- 世界最大の市場である米国株式市場の動きを簡単に把握できる
- 多様な業種や銘柄を分散投資できる
- 低コストでインデックス投資ができる
S&P500に投資するデメリットは、以下のようになります。
- 為替リスクがある(米ドル建てのため)
- 時価総額が大きい銘柄の動きに影響されやすい
- アメリカ経済や政治の不安定さに左右される
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