2024年3月19日、日銀は金融政策決定会合において、マイナス金利政策を解除することを決定しました。
この決定は、賃金の上昇と物価の安定的な2%上昇が見込まれる「賃金と物価の好循環」が見通せるようになったためです。
消費者物価指数の上昇率は2%以上を維持しており、経済の健全な成長が期待されています。
マイナス金利政策の解除は住宅ローンの金利上昇や保有債権の損が生じるね!
ローンが上がるとお金が借りづらいから不動産市場も停滞しそうだね!
日銀は、マイナス金利政策を解除した後も、緩和的な金融環境を当面維持する方針です。
政策金利のさらなる引き上げは急がず、賃金と物価の好循環の強まりを慎重に見極めることが重要とされています
今回はマイナス金利政策解除後に生活にどのように影響するのか解説します。
マイナス金利政策とは?
マイナス金利政策は、中央銀行が金融機関に対して預金に対して課す金利がゼロ以下になる政策です。
これは、金融機関が中央銀行に預ける資金に対して手数料を支払うことを意味し、経済活動を刺激し、デフレを防ぐことを目的としています。
引用:あすなろ学習室『「銀行の銀行」と「政府の銀行」』
民間銀行が日銀にお金を預けるとマイナスになるから預けにくいね!
じゃ、その分のお金を住宅ローンや有価証券の購入などに充てて経済にお金を回そうってことだね!
マイナス金利政策解除後の生活の変化
マイナス金利政策の解除は、預金の利息増加や円高による輸入品価格の低下など、消費者にとっていくつかのメリットが期待されます。
また、賃金や物価の上昇が持続している場合、物価安定の観点から金利が引き上げられる可能性があります。
SBI新生銀行を例にすると3月29日から一部預金の金利の利上げを予定していると発表。
引用:SBI新生銀行「<<事前告知>>2024年3月29日(金)よりダイヤモンドステージ円普通預金金利年0.15%(税引前)へ利上げのお知らせ」
変動金利ローンへの影響
変動金利ローンは、短期金利の変動に連動するため、マイナス金利政策の解除によって金利が上昇する可能性があります。
これは、ローン利用者にとっては返済額の増加につながる可能性があるため、注意が必要。
多くの人は住宅を購入する際に変動金利に設定。
実際にいつから影響ができるの?
変動金利は一般的に4・10月に金利が見直されます。
また、今回はマイナス金利が0 → 0.1に変更されたので上がり幅も同じ程度で調整されるでしょう。
実際に金利が0.1%上昇すると住宅ローンではどれくらい影響があるかシミュレーションしてみました。
結果、5,000万円の35年ローンだと約2.8万円/年も上昇します。
株価や賃金上昇への影響は?
日銀が「マイナス金利解除」し17年ぶりに利上げとなりました。
しかし、発表直後から株高・円安の状態が続いています。
どうして、円安・円高が続いているの?
株高・円安が続くのは日銀のコメントにヒントがあるよ!
植田和男総裁は「マイナス金利の解除等を実施したとしても緩和的な金融環境は当面続く可能性が高い」。
引用:Yahooニュース「【日銀マイナス金利解除】『金利のある世界」いよいよ到来、「賃金と物価の好循環」で日本経済復活を』
本来であれば、マイナス金利を解除すると日本とアメリカの金利差が縮まるので円高になります。
しかし、日経平均株価を見ると円安傾向に変化はありません。
金利が上昇すると、お金が借りにくくなるため株価は下がる傾向にありますが、日経平均株価は上昇という逆の現象になっています。
市場は植田和男総裁のコメントを金利上昇の一辺倒だけではないと判断したんだね!
日本銀行のマイナス金利政策解除による賃金への影響については、複数の見方があります。
一部の分析によると、マイナス金利政策の解除は、金融機関の収益性向上に寄与し、結果として賃金上昇の余地を生む可能性があります。
しかし、他の専門家は、賃金上昇が物価上昇に追いつかない場合、実質賃金の増加にはつながらず、消費者の生活水準には直接的な改善をもたらさないと指摘しています。
また、連合が発表した今年の春闘における参加労組の賃上げ要求が5.85%と30年ぶりに5%を上回ったことから、賃金上昇の動きが見られるものの、これが持続的な実質賃金上昇につながるかはまだ不透明です。
総じて、マイナス金利政策の解除が賃金に与える影響は、金融市場の動向、企業の収益性、物価の動き、そして労働市場の状況によって異なると言えるでしょう。
今後の経済指標や市場の反応に注目が集まっています。
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